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2023年01月22日

イギリス版ウマ娘映画(嘘) 「ドリームホース」を見た感想


久しぶりに映画を見に行きました。
客数は少なかったですが競馬ファンは興味があるのではないでしょうか。
今回は「ドリームホース」の感想ですがネタバレありますので注意。


●映画「ドリームホース」とは
細かい話はネタバレになりますが、
ドッグレースなどで優勝経験のあり動物飼育の経験のある
アルバイトの片田舎の主婦が、何を思ったのか急に競馬をやりたくなり、
競走馬はクソ高くて買えないので、
ビラ配りして資金をあつめ牝馬を購入し、種付けして子育てし
オーナーブリーダーとして最終的には世界最高峰障害レースの
グランドナショナルを勝利するという伝説的な奇跡のストーリーです。

イギリス版オグリキャップとは言いすぎですが、
金がないからズブの素人が牝馬を買って自宅で育てて種付けからかよ!
という所がさらにこの伝説にハクをつけます。
日本人の競馬の常識を超えていました。凄いです。

映画「ドリームホース」


●注目のポイント
馬を主役にストーリーを作る難しさ。
多分、馬は演技するのが難しい動物なので、
不機嫌になったり暴れたり動かなかったりは全てアドリブかと。
馬のアドリブからストーリーを人間の方が合わせて構築するというこの難しさ
そして迫力のあるレースを上手に再現した演出の上手さがこの映画の魅力です。
また実力派女優トニ・コレットのパワフルな演技がすごい印象的で
この映画をさらに盛り上げてくれます。
お馬さんかわいい。


●難しいポイント
競馬を知らないとこの映画の「難しさ」が伝わってこない。
それが一番の課題でしょうか。
イギリスのレース体系に詳しくないとそもそも、
レースの格とか説明が無いので分からない。
日本向けに字幕でキャプチャを付けるべきだったかと。
ちなみに現在1ポンド160円でドルより円換算は高いです。ご注意を。

●競馬は貴族の遊び?
日本でも金持ちの競技というイメージがありますが、
階級社会のイギリスでは金持ちを超えて貴族ばかり。
そういう所へただの田舎の労働者階級の庶民が馬主として侵略する。
そういう演出も多々ありますのが実にイギリスらしい。
労働者階級本位の映画ってイギリスにはよくありそう。

日本人に例えると、中央の馬主条件を満たせない1庶民馬主が
特別な血統を持たない馬を買って自宅で育てて地方競馬所属のまま
中央G1に殴り込みをかけるイメージです。


●主人公オーナーが競馬でロマンを語る
女優トニ・コレットの演技で、リアリストの出資者に対して
競馬でロマンを語る所が印象的に残っています。
人生に夢を与えるために奮闘する、退屈な人生はまっぴらだと。
日本でも、とても白い目でみられそうな人ですw

馬主は基本的にお金が儲かる事業ではないのでロマンだけです。
競馬はギャンブルという負のイメージがありますので、
スポーツとしての野球やサッカーみたいな広告媒体にもならず
唯一ゲームを除きグッズや副次的ビジネスだけで収益を成立させられない
のが競馬産業の最大の弱点でしょう。
JRAが民間企業の概念が無いためです。
それはイギリスでも全然代わりはなくてギャンブルでしか競馬産業が成立しない様子も描かれます。


●イギリスの競馬関係の設備のショボさ
ネタバレになるので書きませんが、
日本の競馬設備と比べて、なんともしょぼい設備。
ちょっとこのショボさは嘘だろ?
実話の平成2006〜2012年の時代じゃないw
昭和のしかも前半だろう、と思った。そこに違和感があった。

いや本当にこれがイギリス競馬?
日本に来て見てみなよ、嘘だろと日本人なら思うはず。


●まとめ
日本人の競馬への価値観をぶち壊す凄みがありました。
たんなる喜劇、悲劇を超えたドラマがこの映画にありました。
しかし時間の関係でバッサリカットされた印象を持ちます。
人間ドラマの時間を増やしすぎて、困難に挑む所がカットされています。
実話はもっと壮大でドラマチックだったはず。そこが残念な所です。
しかし映画としての質は決して失ってはいません。

残念ながら競馬を知らない、興味の無い人には面白くないかもしれません。
イギリス競馬を全部知っている前提の映画です。僕も知りませんしw
DVD発売されたら定価では買わずに安くなった時に中古で買います、多分w

ウマ娘で競馬ブームですが、今ここで競馬に詳しくなった人に是非見て頂きたい映画。
競馬を題材にしたドラマチックな映画は日本にはまだ存在しません。
日本の映画産業もギャンブルを超越した映画を作ってくれる事を期待しますが
観客数を見る限り興行成績はそんなになので、今後も難しいのかなと思いました。

posted by kapper at 10:55 | Comment(0) | 近況
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