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2022年11月05日

最近の事 2022年11月 車載半導体不足を考える


こんばんは。
今回は半導体コラム。
何故か供給不安定が解消されない車載半導体不足をネタに考えます。
Kapperは業界人ではないので個人の勝手な妄想であることを
前もって宣言しますので、誤解なきようお願いします。
コメントされても多分返事を書きません。これだけに関しては。
自己責任で。

●車載半導体とは?
自動車用途の半導体部品で、自動運転や自動車内機器制御用コンピューター
に特別に開発されているCPUやGPUなどを指します。
つまり普通のPC用半導体ではありません。
近年ではARMが殆どでしょうか。
ルネサスとかインフィニオンとかのアレです。
パソコン不況でIntelやTSMCが減産しているニュースが出ていますが、
一向に自動車用半導体不足は解消されていません。
何故でしょうか?
Kapperは業界人ではありませんが不思議に思ったので考えてみます。


●時代遅れのIATF規格
IATF規格はヨーロッパの自動車会社が採用した
少し厳し目の自動車部品の品質規格です。ISO9001みたいなものです。
1次供給メーカーに課せられてセカンドサプライヤー(材料)などには
課せられません。
しかし手間なので、半年に1回のリニューアルの半導体業界のスピードには
とうてい追いついていないのが現状です。

個人的に思うのが、パソコン向け製造ラインが自動車用半導体に
使えないのでは無いか?と個人的に疑問視しています。
製造ラインが空いていれば使わないのは固定費が増えて損です。
パソコン不況なら他の製品向けが増えるのは本来当たり前なはずですが、
それにも関わらず車載向け半導体の生産量が増えていない報道が多いです。
いやルネサスの売上から見ると少しは増えているかも知れませんが・・・
全体の需要に比べれば少数なのかな?と。

理由は多分ですが、IATF規格の縛りとパソコン用ラインは過剰スペックなのと
販売単価がパソコン用途と比べて安いつまり値上げを容認していない
のが理由だとKapperは勝手に推定しています。
ほら、自動車部品って年X%の値下げコストダウンを継続要求している
黒い噂が多いじゃないですか。
つまりTSMCとかサプライヤーがわざわざ車載用を作りたくないんだとニュースでも出ています。
仕方がないですね。
TSMCなどサプライヤーにやる気を起こさせない自動車メーカーが悪いんです。

●自動車の半導体不足は解消されるのか?
時間が経てばIATF規格での量産ラインを構築するメーカーが出てくる
と思いますので長い目で見れば解消してくるでしょう。
ただし、自動運転など半導体使用量が増えてくれば別ですが。
当然、機会損失に対応するため自動車メーカーが自社で半導体を作る必要があります。
なかなかそういう動きが出てこないのは、自動車メーカーの
機動力が遅すぎるからだと思います。
スピード、スピード、スピードの半導体業界ではついてこれないでしょう。

IATF規格に入っていないパソコン用半導体を採用すれば
多分、短期的な不足分は解消するでしょう。
しかし現在そういう動きはニュースで出ていません。
つまり自動車メーカーが自分で自分の首を絞めているだけだと
Kapperは認識しました。業界人ではありませんが。

●ファブレス企業の弱点
CPU関係はファブレス企業が増えたのが問題点です。
自社で生産せずに外部委託するケースです。
しかし、これだけCPUファンダリーが強くなると
力関係が逆転している様に見えます。
実際TSMCは毎年値上げを強行していますし。
Appleとか怒っているニュース出ています。
完全に自業自得です。
完全に外部依存しているので値上げされて当然です。
他に発注先が無い訳ですから。

ファブレス企業が増えたのは理由があって、
半導体開発のスピードが早すぎるので生産ライン構築まで時間がかかります。
長期的に膨大な投資が必要になります。
しかしパソコン用半導体は高付加価値商品なので
価格を吸収出来る余地がありました。
設備の固定費を変動費化するために、設備代は製品価格に転嫁して
ファンダリーからお金を出して買うことで解決したんですが、
しかし各社全てがファンダリー企業に発注すると力関係が変わります。
CPUが手に入らなくなってしまいました。
自社で製造ラインを残しておかなかった企業は機会損失が発生しました。
生産ラインはどうしても自社で必要なんです。
そういうリスクを犠牲にしたのだから当たり前ですよね。

●自動車メーカーの時代遅れ
結論は自動車メーカーが時代のスピードについてこれなかった、
とも言えるかと思います。
車載用CPUやGPUが無ければ別のCPUで代用すればいいじゃないか?
が成立しないIATFシステムを作ってしまいました。
自動車が生産出来ません。
機会損失で大損です。
生産リスク管理が甘すぎませんか?自動車メーカー様?
FMEAちゃんと作っていますか?安全品質だけじゃなくて生産リスクに対しても。
生産リスクFMEAって聞いたことがありませんし。甘いね。
もちろん日本の自動車メーカーはIATF規格を採用していないので別です。
電気自動車の時代なのに、制御する半導体が入手出来ないなんて
お笑い草です。
ヨーロッパは何を考えているのでしょうね?

結局最後の頼みは半導体の自社生産です。
間違いなく。
いま一生懸命研究してARMの技術を盗んでいる所だと思います。
しかし、IATF規格を認証された半導体企業をもっともっと増やさないと駄目です。
供給ルートは沢山あって初めて自動車生産が成立するでしょう。
そうなるにはオープンなRISC-V規格がどんどん増えてくるでしょう。
技術がフリーなRISC-V規格を使って半導体を大量生産しなければ未来はありません。
それはどこの国でも設備があれば自動車用半導体を作れる未来があります。
面白い話ですね。

●まとめ
Kapperは業界人ではないので、個人の勝手な妄想です。
しかしそうでは無いか?といつも疑問に思っています。
自動車会社の方々も多いので既に気がついているかと思いますが、
パソコン不況にも関わらず、車載半導体不足による
自動車生産停止による機会損失はとても不可解ですが
こういう仮説を考えればある程度説明出来てしまいます。
いち早く自社生産に投資する方策に着手したメーカーが
次のEV時代に勝ち残るでしょう。
いや勝手な想像です。
真に受けない様によろしくおねがいします。
posted by kapper at 18:54 | Comment(0) | 近況
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