WindowsタブレットでDebianです。
Kernelのバージョンの関係上で開発版のStretchを入れました。
トラブルは仕方がないですが、Jessieでは無理なので。
人柱と思ってみましょう。
●Debian Testing インストール課題
開発版です。
JessieのKernelが3.16なので、Bay-Trail向けにバグがあります。
Kernel3.14〜3.19までは強制Turboモードのバグで熱暴走します。
Firmwareもディスプレイドライバも色々と問題があり起動しません。
ちょっと心苦しいですが、Multi-Archの開発版を使います。
Kernel4.8です。
細かい所はこちらを参照
InstallingDebianOnAsusT100TA
DebianにはMulti-ArchというAmd64とi386の両対応した
インストーラーイメージがありまして、一応便利です。
デスクトップはCinnamonも使えます。
所が、これタブレットから見たら魔窟だったんですよ・・・
何がと言いますと、
・DebianはUbuntuと違ってGNUなライセンスに特化
・仕様の為、Firmware=ドライバが手動でしか入れられない
・ISOファイルでUSB≠CDROMなので完全性チェックでエラーが出る
一部のパッケージが自動で入らない
CDROMレポジトリが使えない。追加パッケージはdpkg -iで入れるw
・無線LANがFirmwareを入れられないので標準で認識しない。端末から入れる。
・初期にインターネットが繋がらない。aptが使えない
・USB-HUB経由でUSB有線LANを繋げるとaptラインが認識せず
初期Debootstrapでエラーが出る
・Network-managerが手動じゃないと入れられない
・日本語化されているが日本語フォントが無いので豆腐状態。
フォントを入れるまで全く文字が読めない
・初期設定が非常に困難
レベル高いよ・・・
ただし後で気付いたのですが、
USBの有線LANカードなら問題なかったです。古い奴で。
後はとても古いUSBLANなら認識するかもしれません。
GW-US54GSXでもファームウェアが無いって言われましたが。
2006年製の旧機種なんですがNG。
という事で、必要なものは本体とUSBメモリ以外に
・USBメモリ
・USB有線LAN(無いと危険)
・USB HUB(2個以上刺すために)
(・USB無線LANカード)
これは用意しましょう。
後でネットワーク認識してaptする際には絶対です。
●Debian Testing インストールしてみる
まずはT100TAにDebianを焼いたUSBメモリを刺します。
USB有線LANは後でつなぎます。
で電源ONにしてGrub上から2個目のInstallerを起動。
Graphicalでも良いかもしれませんがエラーが出そうなので
CUIが安牌です。
インストールを進めますとネットワーク設定でとまりますので
イーサーネットカードなしを選択します。
といいますか、何を選んでもエラーが出るはずです。
ここでHUB経由でUSB有線LANを繋いでいると、HUBの影響で
今度はUSBメモリのCDROMパッケージが認識できなくなり読めなくなりますw
インストールが止まりますw
痛たたたた。
そのおかげで直接USBメモリをタブレット本体に繋ぐしかなくなりますw
この時点でaptが全く使えないのが後で痛手にw
でもパッケージのインストール終了までたどり着きます。
ソフトウェアの選択でCinnamon入れておきましょう。
本来ならここで終わりなのですが、恐怖はこれからですw
●Debian初期設定
インストールが終わりましたら再起動。
CUIで起動するんですけど、20秒くらい経つと何故かフリーズするので
ログインしたら直ぐにXorgを起動します。
startx
まあそのままですね。
この時点では文字が表示されませんし、ネットワークも繋がりません。
最初にやる事はgrubのコマンド追加して爆熱フリーズ対策です。
Xorg上では電源管理アプリがあるのでフリーズしないはずですが、保険を兼ねて。
cinnamonが起動します。
端末を起動したら
su
nano /etc/default/grub
で、テキストエディタが開いて、
GRUB_CMDLINE_LINUX_EFAULT="intel_idle.max_cstate=1"
を追加して保存。
コマンドで
update-grub
でgrub.confを自動設定しなおします。
これ重要。
で再起動。
同じ様にログインしてstartxするとフリーズが無くなりますw
これでやっと操作できる様になります。
まずは日本語表示から
まず他のPCからDebianのサーバにアクセスし
日本語フォントパッケージをUSBにコピーしていれます。
例えば、
fonts-ipafont-mincho_00303-16_all.deb
fonts-ipafont-gothic_00303-16_all.deb
をこちらからブラウザで。
https://packages.debian.org/stretch/fonts-ipafont-mincho
su
cd /media/(名前?)/DEBIAN\ TESTING/
dpkg -i fonts-ipafont*
とdpkgコマンドで日本語フォントを入れると画面が日本語化します。
分かりにくいので注意。
次はインターネットに接続する為に、Network-managerを入れます。
Network-managerをインストールするには、
USBメモリに入っているNetwork-managerの他に
libbluetooth3_5.43-1_amd64.deb
libndp0_1.6-1_amd64.deb
libteamdctl0_1.26-1_amd64.deb
を再びDebianのサーバから別PCでダウンロードして入れます。
dpkg -i lib*
でNetwork-managerをUSBメモリからインストール
cd pool/main/n/network-manager
dpkg -i network-manager_1.4.2-3_amd64.deb
ひとまず
エラーが出ていない事を確認します。
次に/etc/apt/sources.listのレポジトリで
CDROMメディア認識しないエラーが出るので
debianのサーバを追加します。
su
nano /etc/apt/sources.list
CDROMの行の先頭に♯を付けてコメントアウトし
2行を追加します。
deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ stretch main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ stretch main contrib non-free
保存してaptするとパッケージがネットワーク経由で入れられます。
有線LAN経由で勿論、他のPCで動作出来る事が前提ですw
DHCPで接続できる場合は設定不要ですが、
細かい設定は自分でやってください。
USBメモリを引っこ抜いて、USB有線LANを刺してランプ点灯確認。
su
apt update
apt upgrade
apt upgrade --fix-missing
apt-listchangesのドキュメントが出てきて止まるので
流してqを押して終了させます。
これでパッケージが入れられるので何とかなるはず。
このままだと面倒なのでアプレットも追加します。
apt install network-manager-gnome
再起動するとアプレットにNetwork-managerが起動します。
●無線LANの認識
まずはFirmwareをインストールします。
su
apt install firmware-linux
apt install firmware-brcm8011
これで一連の無線LANのfirmwareがインストールされます。
最初から入れておいてよ!
マジで…
まだ繋がりませんので
cp /sys/firmware/efi/efivars/nvram-74b00bd9-805a-4d61-b51f-43268123d113 /lib/firmware/brcm/brcmfmac43241b4-sdio.txt
とやって再起動。
このエラーが起動時に出ていない事を一度確認します。
modprobeしないで再起動するのはエラー確認する為です。
brcmfmac_sdio mmc1:0001:1: firmware: failed to load brcm/brcmfmac43340-sdio.bin (-2)
エラーが出なければ無事内蔵無線LANが認識しました。
良かった。
●まとめ
とりあえずWindowsタブレットにDebianの起動と
初期設定まで。
既に動作実績のあるT100TAは報告例が多数あるのでまだ楽な方です。
まだ音がなりません。
ある程度問題なく使える様になりました。
大変ですね・・・
Testing版に文句を言ってはいけませんが、
リリース時には直っている事を期待します
