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2015年12月27日

「何故 日本ではUbuntuが人気なのか?」という質問を考えてみた

昨日の東海道らぐで「何故日本ではUbuntuが人気なのか?」
という質問を頂きましたので、面白そうなのでブログにします。
特に関心があるのは他のディストリビューターさんでしょうか。
開発者の多い東海道らぐならではですが、
皆さんも是非お聞きしてみましょう。

○日本でのUbuntuの良い所と悪い所
UbuntuはDebianと共に全世界で普及しており
全世界にコミュニティのある今ではトップクラスの
Linuxディストリビューションです。
LinuxMintなど、パッケージを共有する母体になっているだけでなく
独自のプラットフォーム戦略を掲げて日本でも業界No1の地位を確立しています。
何故でしょうか?
ユーザーの視点から見て考えてみます。

●長所
1.セットアップが楽であること
 誰でも起動出来る簡単さがUbuntuの最大長所
 もちろん、これは他のディストリビューションも同じです。

2.Webや雑誌情報が沢山あり、ユーザー情報がとても多い
 困ったら直ぐに情報が見つけられる。
 これがUbuntuの最大長所です。
 特に秀逸なのがUbuntu Weekly Topics。
 開発者自ら書かれているこの情報はとても質が高く、
 誰もが一次資料として参考にしています。
 香港のLinux雑誌が参考にするほど良く読まれています。

3.年2回のリリースで最新の環境を定期的に提供している
 Debianや他のディストリではここまではやっていません。
 新しい物好きの日本人には特に重要で最大長所の一つです。
 
 僕個人はARMの場合、インストールやKernel管理、
 パッケージ管理追跡が死ぬほど面倒なので
 最近はDebianの長い周期がお気に入りです。
 ARMのRaspbianやDebian Norootも最後はDebianに辿り着きましたよね。
 SharpのNetwalkerでの短すぎるサポート期間終了は、
 ARM使いの心の傷になっているはずですw
 まだ心の傷は癒えておりませんw
 パッケージは自前で最新版ビルドして追跡しますw

4.クリティカルなバグが少なく安定している
 まず大筋安定しているというのも大きいです。
 細かい不具合はありますが、このリリース周期では脅威的です。
 もともとバグバグな各ソースを良くもここまでFIXしてリリースしているな〜
 と常日頃思います。
 ローリング・リリースのディストリではいつかはバグを拾います。

 これは、一般の方々からは全く想像もつかないと思いますが、
 Kapperの様にソースコードベースで追跡してビルドしている連中の
 マニアックな視点から考えますと、ビルドエラーやバグに日々悩まされています。
 ここまで作り込めるのはDebianやUbuntuの開発力の結集だと思います。
 とても個人では追随できません。
 これは他のディストリビューションでも似たような苦労があると思いますが。
 
5.LubuntuやXubuntuなどGUI環境に応じた多数のイメージを配布
 最新のPCを使っている人や古いPCを使っている人など様々な環境があります。
 そうした人々に対応するため、色々なGUI環境を提供しています。

 ここで重要なのは、ほとんどのユーザーは初期に入っているGUIを変更しない
 という事です。パッケージなら各ディストリに入っています。
 でも面倒なので入れ替えしない人が殆どです。
 つまりKDEとか重いGUIが嫌な人の場合は確実に次は使いません。
 そうでなければ、LinuxMINTとか使う必要は無いはずです。

6.Ubuntuブロガーがとても多い
 Kapperもそうですが開発者含めブロガーがとても多いです。
 RaspberryPiのユーザーも共通です。
 何故ブログが良いのか?
 頻繁に更新(重要)するブログは検索エンジンにヒットする確率が非常に高いからです。
 当然、困ったりした人が読む人はブログの確率が多くなります。
 KapperはLinux開発者が自分の活動をブログで公開している例は
 あまり見かけない様に感じます。
 あなたは自分の成果をブログで発信していますか?
 自分のコンテンツを自分で発信する。基本ですね。
 
7.Ubuntu掲示板で初心者の対応を諦めていない。非常にがんばっている。
 公式掲示板は重要でどれだけサポート出来るかが、
 流出防止に繋がります。
 ですが、フォローアップには物凄い大変です。
 冷たい言葉であしらったり、放置したりは良く見られる傾向です。
 Ubuntuは掲示板でフォローアップするユーザーさんが多く
 まとまりがある為、活用される人も多いのではないでしょうか。
 凄く大変な事だと思いますが。

8.日本語FAQサイトがあって情報が豊富
 ArchWikiほどでは無いですが、膨大なドキュメントが日本語化されています。
 調べる際には大変助かります。

9.パッケージ数がディストリビューション中で最大
 DebianとUbuntuは対応パッケージ数が最大級です。
 これは他のディストリには追随できません。
 DebianやUbuntuを使った後、他のディストリを使うと
 欲しい物が無い感触を強く受ける事になります。
 これはちゃんと使っているユーザーで無ければわからない感触だと思います。

・Kapperの視点から見たLinuxディストリビューション
 是非ご一読を
 各種Linuxディストリビューション解説

○まとめ
いつも思っていますが、Ubuntuは最大多数の最大幸福を狙っていると思っています。
その試みは日本では成功しています。
GUI環境やKernel最適化はOpenSuseが優れていますし、
マルチプラットフォームはNetBSDが優れています。
ただ、最後に生き残るのはユーザーの声をどれだけ反映できるか?
でないでしょうか?

あなたは日常でどんなお店を利用していますか?
どんなネットサイトを利用していますか?
どんな携帯電話を利用していますか?
そこには何らかの理由があるはずです。
それをビジネスに反映出来るのがマーケティングだと認識しています。
エンジニアはマーケティングを是非楽しみましょう。
posted by kapper at 18:06 | Comment(0) | Linux
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